わかばの風法律事務所 弁護士のBlog

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住民票等について被害者保護のための支援措置の対象が拡大

 2006年7月以降、DV(配偶者暴力)の被害者やストーカー被害者については、加害者に避難先を知られないようにして被害者を保護するために、住民票等の閲覧を制限する支援措置が実施されてきました。

 しかし、児童虐待の場合は同様の制度がなく、被虐待児を保護しても、虐待親が避難先を探索して連れ戻す恐れがあるような場合には、住民票を移せないという問題がありました。
 そこで、2012年9月26日、総務省は、「児童虐待を受けた児童である被害者であり、かつ、再び児童虐待を受けるおそれがあるもの又は監護等を受けることに支障が生じるおそれがあるもの」について支援措置の対象に加える旨を各自治体に通知し、同10月より実施されることになりました。
 また、上記総務省の通知では、DV・ストーカー行為等の被害者、児童虐待の被害者に準ずる者についても、市町村長の判断で支援措置の対象とすることができることが明示されました。これにより、具体的には、配偶者ではない交際相手から暴力を受けているケース(ストーカー行為のないもの)、児童虐待の被害者が18歳を越えたケース、児童ではない者が虐待を受けているケースなどでも、住民票等の閲覧を制限する支援措置を利用できるようになりました。
 もっとも、上記支援措置をとれば問題が解決するというものではありません。全面的に解決するためには法的措置も視野に入れて検討すべきです。
 被害に遭われた場合には、まず弁護士にご相談ください。
                                2013年3月記
                                 酒井 桃子

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