おいしい話はありません
最近、未公開株、匿名組合や何々組合への出資名目での被害が目に余ります。
そこで、警告のために、標語を考えました。といっても、平凡なことです。多いとかえって駄目なので、一つにしました。
簡単です、「ハンコを押すな」これだけです。なんのことはない、昔から伝えられてきたことです。「金をだすな」でも良いのですが、これだと、訳がわからなくなります。
少し無愛想過ぎるかもしれませんので、実践的な標語?を一つ、それは、「免許証のコピーを貰え」です。
何故、こんなことを改めて強調するかと言うと、被害が多すぎるのですが、大きな特徴に、「名前、住所がすべて嘘」というケースが非常に多いからです。見せて貰うのは失礼だ、と思ってはいけません。
社会的信用の不十分な状況、つまり、初めてだとか、広告を見ただけ、とかパンフを貰っただけとか、電話で話して訪問してきただけとか、そういう場合には、お金を出してくれという側が、そのような身分証明を行うことは義務だ、と思います。というより、義務だとする社会通念を形成すべきでしょう。それほど、目に余ります。
なお、身分証明を要求することは、交渉である以上違法ではありません。もちろん、「免許証を見せたから、契約しろ」という話にのる必要もありません。これは、法律上は当然のことです、くれぐれも、間違えないようにしてください。
ところで、被害にあう話は、ほぼすべて、「いい金利がつきます、儲かります」というものです。外国での事業展開だとかFXに投資する、とか極秘情報とか、上場確実とか、まあいろいろです。しかし、断言しますが、「おいしい話はありません」。正確に申し上げますと、仮にあっても、絶対に皆さんのところには来ません。
考えてみてください、皆さんが、これから上場しようとする業績のよい企業のオーナーだとして、手許の株を見知らぬ人に買わせますか?また、おいしい話があったとして、それを他人に持って行きますか?特別な関係の人か、おいしい話を実現するために必要な力を持っている人かどちらかしかありえません。御自分がそのような立場であれば、このホームページは読んでないでしょう。
なにを言っている、という人が出るかもしれません。「俺は、証券会社から抽選で、おいしい銘柄、おいしい商品を貰ったことがある。」というわけです、しかし、いいですか、実際に貰っているのは「証券会社」であって、あなたではありません。証券会社は、あなたに取引をしてもらうための、目玉グッズとして入手して、あたなたに渡しているにすぎないのです。証券取引の相談や訴訟も随分やりましたが、おいしい話があった人は必ず、通算で大損しています。儲けている人もいるのかもしれませんが、私は知りません。仮に儲けている人がいるとしますと、断言しますが、その人は、「おいしい話」を冷徹に評価し溺れない人です。そういう人はそもそも、徹底したプロですから、他人が注意する必要はありません。これを読んでいるあなたのことでは無いのです。
どうか、引っかからないように! どうか、ハンコを押さないように!
小林政秀